ハンナ・アーレントー映画
映画昨日、ドイツ出身でアメリカで活躍したユダヤ人哲学者、思想家アーレントの思想の一端を紹介するドイツ映画「ハンナ・アーレント」を見て来ました。監督も女性です。とても心に残る良い映画でした。
アーレントの思想自体が優れていますが、映画も伝えたいことが端的にまとめ上げられていて、色々な意味で見れて良かったとつくづく思いました。
心に残ったアーレントの言葉を書いておきます。
「アイヒマンは、人間の大切な質を放棄しました。思考する能力です。その結果、モラルまで判断不能となった。思考ができなくなると、平凡な人間が残虐行為に走るのです。”思考の嵐”がもたらすのは、善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。私が望むのは、考えることで人間が強くなることです。危機的状況にあっても、考え抜くことで破滅に至らぬように」
アイヒマンとは、ユダヤ人の大量虐殺を指揮した人です。1961年に逮捕され、イスラエルで裁判にかけられました。その時の記録ビデオをそのまま組み込んで、違和感のないリアルな映画作りがされていました。
アイヒマンのような人間を作ってはならないと、今は皆思える時代になりましたが、このところ日中韓、ロシア、ウクライナなど国際情勢が非常に不安定です。
戦争が起きてしまうと、真っ先に犠牲になるのは、爆撃で殺される以前に、実は、弱く従順で自分の考えを持たない人たちが、権力に利用されることです。
多くの人にこの映画を見てもらいたいと思いました。
自分なりの哲学を持つこと、自分なりの価値基準を持つこと、あるいはその限界を知ることも大変重要です。そのために子供の頃から芸術や本に触れ、自分の感覚や思考を高める習慣が必要です。
国の用意する教育だけでは、十分ではないのではないでしょうか?あるいは、頼り過ぎることに疑問や危険すらも感じてなりません。全体主義という罠が用意されているからです。
アーレントの著作も是非読まなければと思いました。
追伸:昨日は極寒ながら、素晴らしい青空を見上げることができました。
関連
アーカイブ
- 2024年10月
- 2020年9月
- 2020年6月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2019年6月
- 2017年6月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年4月
- 2016年1月
- 2015年8月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年7月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2013年11月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2010年11月
- 2010年9月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年4月
- 2010年2月
- 2009年8月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2007年6月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2006年2月
- 2006年1月
- 2005年10月
- 2005年9月
Calendar
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |