作家ご挨拶
画家とは?画家になるには?リクエストを頂きましたので、
2016年夏に開催された「川田祐子展 ー 千年の翠」の展覧会会場で掲示した、
作家ご挨拶」パネルの文章をここに記録しておきます。
何かの参考になれば幸いです。
作家ご挨拶
夏に陽を浴び、秋に実り、冬の風雪に身を守った後には、必ず春に花開く。
自然と共に歩む絵画制作は、私にとって、信仰そのものです。
どれだけ自分を信じることが出来るか?
最初は、そう試されていると思うようにして活動して来ました。
その後に、今度は自分以外と思い込んでいた全ても、
本当は自分自身なのだと気づくようになりました。
そしていつの頃からか、自分を無くして制作に専念すれば、
作り手と見る人が一つになって、
喜んで見て下さる方々の力も集まって、
描けるようにして下さるのだと気付きました。
「絵だけでは食べて生きては行けない」と何度も人に言われて来ましたが、
私の経験的にあみだしたこの信仰によって、
長野で一人制作しながら、この展覧会の機会を与えられました。
一度も飢えることはなく、また我慢を強いられるようなこともなく、
制作の手を止めずに一心に打ち込んでいるうちに、
鶯が歌い、カッコウが囀り、雨上がりの空が笑うようにして、ある予感が届き、
必ず誰かの救いの手が差し伸べられて、
作品を求めて下さったり、寄付を送って下さったり、
画材や食べ物などの必要なものを恵んで下さって、
その日一日の問題が解決するのでした。
そして、明日はどうなるかはわからないけれど、
これからもそうして、1日1日を解決しながら生きて行くことでしょう。
川田祐子というのは、この世に生まれて来た時の仮の名前です。
本当は、私の制作活動を陰ながら理解し、励まし、絵を買い、
そして寄付などで支援してくださる方々こそが、寄り集まって
、川田祐子という身体を動かして、
この時代の文化を共同で彩り、絵画として制作しているのでしょう。
このような方々の多くは、何の縁も所縁もない面識のない人達で、
知らない遠い町から、あるいはお顔も名前も知られないようにして支援して下さる、
そんな大変奇特で慎み深い方々です。
おそらく、そっと知られないようにして、
見にいらっしゃっているはずですから、ご挨拶もままなりません。
この場をお借りして、ここにご支援の実りを共に喜び合う機会に恵まれましたことを、
心からお礼申し上げますと共に、
この経済利益優先の時代にあって、
理解され難い制作活動に、光をあてて発表の機会を下さった、
横須賀美術館館長並びに担当学芸員、
スタッフの方々に、厚くお礼を申し上げます。
川田祐子
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