マイケル・ジャクソンー美術との出会い
読書昨晩久しぶりに、TSUTAYAでDVDをレンタルして来ました。たぶん5年ぶりくらいかもしれません。ちょうど、5本で1000円のサービス期間中でした。借りたものは、全てマイケル・ジャクソンのものばかりです。YOU TUBEで大量に動画をチェックしているうちに、マイケル・ジャクソンにハマってしまったのでした。自分でも信じられません(苦笑)。これまで、全く興味がなかった世界だからです。
マイケル・ジャクソンが亡くなっていたことすら、実は知りませんでした。その早過ぎる死を心から悼みました。映画『THIS IS IT』でのマイケル・ジャクソンは、亡くなるほんの直前の姿であり、今の私とほぼ同い年であるという気持ちで見ますと、いろいろな意味で考えさせられました。
さまざまなスキャンダルに包まれ、その真実を知ることはとうていできそうにありませんが、それだからこそ、ますますその本当を知りたいと思わせるものがあります。
今回レンタルした中で、『 THIS IS IT』はもちろん最も充実した素晴らしいものでしたが、2010年7月16日発売の『真実のマイケル・ジャクソン』というDVDは、著作権問題で尋問されているマイケルが、自分の作詞作曲の創作方法の秘密を詳細に語っているドキュメントが含まれていて、それがとても素晴らしい内容でした(画像の質はあまり良くありませんが)。
2~3日創作活動をせずに楽しく過ごすと、ある朝目覚めと同時に音楽のフレーズが頭に降りて来るそうです。それは詞の断片と、メインメロディで、それを口ずさみ、テープに吹き込むそうです。そのカセットテープは、証拠物件として発見されていて、検事?の質問に答えながら、彼自身が実際にそれを実演して披露しています。
曲の流れを次第に展開させながら、リズムやコード、ブリッジ、曲のストーリー、バックバンドの音、さまざまな楽器の音さえも口や身体から奏でて録音されていくことを知り、本当に素晴らしい、生の音楽作りの現場を垣間みることができました。まるで彼自身の身体そのものが音楽の源(ソース)であるかのように、内側から曲が溢れて来るのです。容疑など、一機に払拭されてしまう内容でした。
平行して1982年マイケル著作発行の自伝『ムーンウォーク マイケル・ジャクソン自伝』(田中康夫訳 河出書房新書)が今朝Amazonから届き、読んでいます。アーティスト自身の言葉で語られることをもっと知りたいと思ったからです。そこにマイケルと美術との接点を知ることのできる、とても興味深い内容がありましたので、少し長いですがご紹介致します。
「僕の人生の中でも、この頃は重要な時期でした。というのも、ダイアナ(=アメリカで最も成功した黒人女性歌手の一人、ダイアナ・ロス)は絵画がとても好きで、絵画のよさがわかるようになりなさいと勧めてくれたのです。
彼女は時間をさいて、この僕に絵のことを教えてくれました。僕らは毎日のようにふたりだけで外に出かけては、鉛筆や絵の具を買ったものでした。デッサンや絵を描いていない時には、美術館に行きました。彼女から、ミケランジェロやドガといった偉大なる芸術家の作品が紹介されて、その時から僕のアートに対する一生の興味が始まったのです。
彼女は本当にたくさんのことを教えてくれました。それはとっても新鮮で刺激的でした。寝ても覚めても音楽ばかり、明けても暮れてもリハーサルばかりという、それまでの僕の生活とはまるで違ったものでした。
ダイアナのようなスーパースターがわざわざ時間をさいてまで、小さな僕に絵の手ほどきをしたり、芸術について教えてくれるなんて信じられないかも知れませんが、でも彼女は本当にそうしてくれたんです。
僕はそんな彼女が大好きだったのです。いや、僕は今でも彼女のことを愛しています。本当に彼女に夢中なのです。彼女は僕の母であり、恋人であり、そして姉であり、そうしたすべてが一緒になった驚くべき存在だったのです。」
これは、ちょうどマイケルが兄弟で結成されたジャクソン5の一員としてデビューするちょうど1年くらい前の1967年頃。準備期間として当時既にスーパースターであった、ダイアナ・ロスの自宅に身寄りしていた、9才の時のことのようです。
本当に微笑ましい文章です。ダイアナ・ロスはアートのどのような話しをマイケルしたのでしょう?美術館でどのような絵を見て、どんな話しを語り合ったのでしょう?残念ながら、この文章からはあまり多くのことを知ることはできません。
マイケルの音楽の世界は、作詞作曲からダンス、パフォーマンス、衣装など総合して自分の創作意志が具現化され、彼にしか創り得ないものになっています。生まれながらの才能に恵まれた人には、このような幼い時のアートとの幸運な出会いすらも用意されているものなのか...、と思わずにはいられませんでした。
謎に包まれた死から、既に3年が経っていますが、改めてマイケルの音楽の世界をより深く楽しんでみようと思っています。心からリスペクトし、ご冥福を申し上げます。
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