新年のご挨拶ー猿も木から落ちる

昨年12月の個展の間に、安泰寺のネルケ無方老師から、
自給自足で作られた無農薬の玄米を頂きました。
勿体無いやらありがた過ぎて、食べるのも躊躇うほどでしたが、
個展で上京する際に、玄米を粉にする専用のミルと、スープジャーと梅干を持って行き、
個展会期中は、この玄米を食べながら頑張ることが出来ました。

毎朝、粉にした玄米をスープジャーに入れ、
熱湯を注ぎ、梅干を入れてよくかき混ぜ、蓋をしっかり閉めておくと、
お昼には、ちょうど良いホカホカの玄米ミルクが出来上がっています。

玄米の量を加減すれば、スープとしても楽しめました。

玄米は、万能の栄養食で、おそらくこれさえ食べていれば、
おかずなど食べなくても生きていけるのだそうです。
そこまで徹底して確かめたことはありませんが。
こういう食生活は、甲田式の食事方法を勉強して、
そこからヒントを得たものです。

私は自分の人生を、制作に捧げるつもりで生きていますから、
自分の食欲を満たす最低限の食事を心掛けていて、
それ以上の過度に美味しいものや、
贅沢な食事はしないようにしているのです。

それは長生きをしたいからという理由からではありません。
自己コントロールが出来ることが、制作する上でとても重要だからです。

食生活すら自分の意思で管理できないようでは、
自分の思い描くような人生は生きられない、
思い通りの作品を生み出すことは出来ない、
といろいろな人たちを見て経験的に感じて来ました。

何のために、どのような食事を取るべきか、
なぜそれを食べたいのか、
いつも自問自答して注意深く食べるようにしています。

まずは、それを作った人の顔がわかることは、すごく大切なことで、
もっと言えば、その原材料までよく知った上で食べることは、
自分を丁寧に生きることにつながります。

その頂いた玄米ですが、
感謝しながら袋の三分の一くらいをジップロックの袋に入れて、
上京する時に持って行きました。
その際に思わぬものが、米袋から出て来ました。
それが画像の写真が印刷された葉書です。

「猿も木から落ちる」これを見つけた時は、
思わず大笑いしてしまいました(爆)

saru

ネルケ無方老師の気取らない、
底抜けの明るさに感動するとともに、
襟を正して、猿は我が身と、
くれぐれも気をつけようと自分に言い聞かせた2回目の上京。

ところが、木から落ちたのは、
今のところ私ではなくて画廊のオーナー、
ということになってしまったのは、大変驚くべき展開でした。

生きている間には、こういうこともあるものだなぁ、
と不測の事態に驚きながらも、
何とか乗り越えた2015年の年末でした。

画廊オーナーは、軽度の脳内出血で入院したものの、
お陰様でゆっくり回復に向かっています。

12月20日の朝、ご自分で異常に気づいて、
電話で救急車を呼び、玄関もご自分で開けたのだそうです。

その際に、右足が動かなかったそうですが、
いつもスポーツジムで鍛えていたことが功を奏して、
左足、左手で玄関までたどり着き、
一命を取り留めたと仰っていました。
どこかで諦めてしまっていたら、
このような話を書くことは出来なかったかもしれません。
やはりこのお話も、日頃の自己管理の大切さを物語っている話しです。

31日に病院へお見舞いに行きましたところ、
すっかり元気なご様子で、
相変わらずしっかりした眼力で、
個展の後片付けの報告や、
次のスケジュールの打ち合わせもすることが出来ました。
「もう右手で文字を書けるけど、こんな汚い字なんだ」
って仰ってましたが、
元々とそれ程変わらないように思ったのですが(汗)、
「読めればいいんじゃないでしょうか」と、答えておきました(苦笑)。

「これは、まだ生きてて良いってことだと思うから、ありがたくて、ありがたくて」
と、すっかり涙もろくなられていました。

人にはいろいろな側面があると、
私は常にそう感じて人と接してきました。
例え厳しい人、付き合いの悪い人、
愛想の悪い人として、敬遠される人であっても、
全く違う側面を持っている場合が多いものです。
一方的に表面的な通り一遍な付き合い方では、
それは感じ取れないようになっています。

よく咀嚼して、味わうことで、食べ物の滋味を知るように。
人もまた、よく知らない内にその人を判断してはならないとつくづく感じます。
さまざまな場面で、人に対して大らかに、そのような機微を感じ取れるよう、
より一層精進しなければと自分に言い聞かせました。

大抵の人間関係の問題は、この一言に尽きると思います。
今回の事態に、少し疲労が増しましたが、
私自身は、今後の予定に気が張っているせいか、
特に動揺することもなく、
平然と新年を迎えることが出来ました。

不測の事態にあっても、ふと、
昨年の秋に長野の寂れた映画館で見た
2つの名前を持つ少年」を思い返し、
大丈夫と思えることが出来たからです。

その映画は、実話を元に、
少年少女のために書かれた物語が映画化されたものです。
ナチスのゲートから逃げ出したポーランド生まれのユダヤ人の少年が、
ナチスに追われながらも、極寒のポーランドの森を旅しながら生き抜く話でした。

父や出会ったユダヤ人の子供たちは、皆囚われ、殺されてしまい、
それでも今日よりも明日をと前を見て、
自分の持てる知恵と勇気とで、果敢に生き抜きます。
途中、粉挽の仕事にありついて、
乞食の生活から一変して明るい兆しが見えて来るのですが、
そこで事故に巻き込まれて、右手を切断することになってしまうのです。
自暴自棄になりながら、それでも挫けずに、
しかし彼は、その右手が無いことで救われていくことになるのです。

ピンチがチャンスに変わることがある。
そう教えてくれた心に残る映画となりました。

今回のピンチにしても、かえって、様々な方々からご心配頂いて、
個展で発表した大作「揺光の花」が個人の所有となるなど、
大きな成果をあげて、締めくくることが出来ました。

このような明るい展望を持って新年を迎えられますのも、
一重にご支援して下さる方々のお力添えのお蔭様です。
心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

新年がこのブログ記事を読まれる方々にとって、
輝ける1年でありますように!

追伸1
個展感想のメール、お手紙、年賀状など、沢山頂きました。
ありがとうございました。
ゆっくりお返事を書いて行きますので、遅くなりますが、お許し下さい。

追伸2
画廊を応援して下さる方が、
ブログに励ましの記事を書いて下さいました。
オーナーに、この記事を読んで差し上げたところ、
涙で顔がびしょびしょになりながらも、
みるみる元気になりました。
本当にありがとうございました!
http://blog-shozo.com/life-cafe/

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